しんぶん赤旗日刊紙「主張」  オスプレイ墜落 欠陥機の沖縄配備許されない

 01日本共産党4つの旗2 米海兵隊の垂直離着陸機オスプレイが11日、アフリカ北部でモロッコ軍と訓練中に墜落、海兵隊員2人が死亡、2人が負傷しました。オスプレイは米軍が今秋にも沖縄・普天間基地に配備、名護市辺野古に建設を狙う新基地にも配備が予定されています。

 沖縄などに駐留する在日米軍の「再編」計画の見直しが進んでいますが、政府は沖縄の負担軽減にも逆行する危険なオスプレイの配備計画はやめ、普天間基地の無条件撤去など沖縄の基地負担軽減に踏み出すべきです。

「安全」は通用しない

 オスプレイは、離着陸時はヘリとして、水平飛行時はプロペラ機として飛ぶ最新鋭の輸送機です。開発段階から何度も墜落事故をおこしており、欠陥機といわれているものです。今回の墜落事故はそのことを改めて裏付けています。

 「世界一危険」な普天間基地に、危険な欠陥機を配備すれば危険を高めるのは避けられません。いまでも墜落の危険と隣り合わせの生活を強いられている沖縄県民が不安を大きくしています。爆音被害も深刻です。政府が基地の負担を「軽減」するというなら、オスプレイの配備に反対するのが当然です。オスプレイの危険性をことさら小さく見せて配備を容認する態度を改めるべきです。

 今回の墜落事故でオスプレイが危険な欠陥機であることはいよいよ明白になりました。オスプレイの開発段階の事故を例外扱いにし、2005年の運用開始後の事故は他の米軍機とくらべて「きわめて低い」とする政府のごまかしはもはや通用しません。藤村修官房長官はオスプレイの墜落について12日の記者会見で、アメリカに「事実確認を求める」としながらも、「地元で安全性に対する懸念があれば丁寧に説明していく」とのべました。オスプレイが「安全」だとする立場で、普天間基地への配備計画を変更する考えのないことを示したのは重大です。アメリカの軍事政策を優先し、県民の命を守ろうともしないのでは野田佳彦政権への反発は大きくなるだけです。

 もともと沖縄の米軍基地はほとんどがアジア・太平洋戦争の末期に不当に奪われ、沖縄の施政権返還後も米軍が居座りをつづけているものです。普天間基地を返還する代わりに名護市辺野古への新基地建設を求め、普天間基地にも新基地にも危険なオスプレイの配備を強行するというのは、沖縄の負担軽減がまったくのごまかしにすぎないことを示すものです。

 沖縄には全国の米軍基地の74%が集中しています。基地があるがゆえの痛みをこれ以上増大させないために、政府は新基地建設やオスプレイの配備をやめさせるために力を尽くすべきです。

基地のない沖縄めざし

 オスプレイの配備に反対する県民の動きは、仲井真弘多(なかいまひろかず)沖縄県知事や佐喜真淳(さきまあつし)宜野湾市長をもまきこんで大きなうねりに発展しています。6月17日には宜野湾市でオスプレイの普天間配備を阻止する市民大会が開かれます。政府を追い詰める絶好の機会です。

 アメリカいいなりでは基地の痛みをなくせません。日米安保条約廃棄を展望しながら、普天間基地の返還をはじめ米軍基地を縮小・撤去させ、基地のない沖縄をめざすことがいよいよ重要です。

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