政権交代3年の問責可決
二つの異常正さぬ政治の限界
2009年8月30日の総選挙で自民党が惨敗し、連立していた公明党も大敗して、政権交代が決まってから3年―。翌9月には鳩山由紀夫内閣が発足し、この3年間に民主党政権は鳩山、菅直人、野田と3人の首相が短期間で交代してきました。
野田首相への問責決議可決は、この3年間の民主党政権が、総選挙での公約を裏切り続けた結果です。民主党だけでなく、公約違反の消費税増税に協力した自民、公明もその責任が問われます。
国民の願い裏切った
3年前の自民党政権(当時は自公政権)の退場は、異常なアメリカ追随や財界・大企業優先の「構造改革」路線など、自民党政治への国民の批判が限界点を超えたためです。自民党への政党支持率はこの3年間低迷したままで、国民の批判は続いています。
財界主導の「二大政党づくり」の策動の中、総選挙では「自民か、民主か」のキャンペーンもあって「自公政権ノー」の風が民主党に集中することになりました。しかし民主党政権はこの3年「自民党政治を変えてほしい」という国民の願いをことごとく裏切ってきました。もともと民主党にはアメリカいいなり・大企業本位という、政治の異常を正す立場がなかったからです。
そのことを端的に示したのが鳩山内閣時代の沖縄での米軍普天間基地問題です。鳩山氏は選挙公約で普天間基地を「国外、最悪でも県外」に移すと約束しました。ところが政権発足後迷走を重ねたあげく、結局自公政権時代と同じ沖縄県内の名護市辺野古への新基地建設を決めたのです。国民との約束よりアメリカの要求を優先させる態度が沖縄県民はもちろん国民の失望を買ったのは当然です。
10年6月に政権を引き継いだ菅内閣も、直後の参院選で公約に反した消費税の増税を持ち出し、批判をあびました。公約した後期高齢者医療制度の廃止を棚上げし大企業減税を持ち出すなど「構造改革」路線の復活を企て、アメリカ主導の環太平洋連携協定(TPP)参加を画策するなど自民党政治への逆戻りは鮮明です。昨年3月の東日本大震災でも対策の手をこまねいてきた責任は重大です。
野田内閣になってからは原発への固執と無謀な再稼働容認、普天間基地の辺野古「移設」とオスプレイ受け入れ、TPPへの暴走、さらに民主、自民、公明3党で強行した消費税の増税と、どの問題でも国民が「ノー」の審判を下した自民党政治を、よりひどい形で復活させています。アメリカいいなりと財界本位の異常を根本から正す立場を持たない限り、民主党政権が国民の願いに応えられないのは明らかになりました。
政治の閉塞切り開くため
いまやどの世論調査でも野田内閣も民主党も支持率は2割そこそこです。政権交代で民主党政権に代わっても政治は変わらなかったという国民の閉塞(へいそく)感は深刻です。
普天間問題でも、消費税増税問題でも、アメリカ・財界いいなりを正さなければ国民の暮らしも平和も守れないことは明白です。国民の願いに応えるため、二つの異常を正す展望を示し、国民と力を合わせてきた日本共産党の役割発揮が、いよいよ求められます。