「選挙の雰囲気、感じないね」。地域の住民の話です。選挙で宣伝車や拡声器を使うのに、規制があります。粗大ゴミ回収車の方が目立つとか▼がんじがらめの「べからず選挙」です。もともと禁止の戸別訪問。あれだけ「マニフェスト選挙」といわれながら、選挙事務所と候補者の演説する場所でしか配れないマニフェスト(政権公約)。人を選ぶのに、肝心の候補者名を記せない都知事選ビラ。インターネットも自由に使えない…▼権力者は、市民の政治活動にも手かせ足かせはめようとします。堀越明男さんは03年総選挙の前、宇治橋眞一さんは05年総選挙中、「しんぶん赤旗」号外などを配ったとして捕まり、国家公務員法の違反に問われました▼休日、職場から遠く離れた所での、自由なはずのビラ配り。最高裁は“公務の中立性を損なうおそれはない”と認め、堀越さんを無罪にしました。当然でしょう。が、宇治橋さんは管理職のような地位だったからと有罪に。米軍占領時代の遺物の弾圧法など、いいかげんになくすときです▼市民の選挙運動や政治活動が抑えられる一方、テレビ・新聞が選挙時の主役のようにふるまいます。「中立」「公平」の建前はどこへやら。ある党をあからさまに「よいしょ」したり、選挙戦が始まったばかりなのに、大勢はすでに決したといわんばかりに議席数の予想を報じたり▼「事実上の選挙妨害。負けるわけにはいきません」と、日本共産党の志位委員長。選挙の主役は、あくまで有権者ですから。
しんぶん赤旗日刊紙「きょうの潮流」
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