秘密保護法の強行
国民の怒り恐れた暴挙許せぬ
安倍晋三政権とその与党の自民、公明両党には、憲法の国民主権、基本的人権、平和主義の原則を根本から踏みにじる違憲の悪法を、衆院でも参院でも強行採決に次ぐ強行採決で、国民各層に広がる反対の声を押しつぶして成立させることへの、自覚もためらいもないのか―。秘密保護法案をめぐる国会の事態に、腹の底からの怒りがわいてきます。国民は安倍政権の暴走を絶対に容認しません。安倍政権の暴走の一歩一歩が、国民との新たな矛盾と破綻を引き起こすのは確実です。
「反対」は国民の世論
秘密保護法「反対」は、「朝日」50%、「毎日」59%、「日経」50%―。いずれも各メディアの直近の世論調査です。世論調査での「反対」は、法案の国会審議が進み、秘密保護法の中身と問題点が国民に知られるにつれ増加しました。過半数の「反対」は、文字通りの世論です。政府・与党が採決を急いだのは、そうした国民の声を恐れたからなのは明らかです。
秘密保護法に対する反対の声明は、憲法学者や刑法学者、弁護士など法曹界、ジャーナリストやその労働組合、出版関係者や演劇人、映画人など、およそ国民の「知る権利」や言論・表現の自由に関わるあらゆる分野といっていいほど、広がりました。「1960年の安保改定反対闘争に匹敵する」という声さえ上がったほどです。批判は国際的にも広がっています。
国会周辺での緊急抗議行動をはじめ各地の集会やデモ、宣伝活動などに多くの国民が参加しました。「秘密保護法はいらない」「強行採決は許されない」―憲法の基本原則を踏みにじる希代の悪法を、議会制民主主義を踏み破って成立させようとする安倍政権へのやむにやまれぬ怒りです。批判の声は政治的立場や政党支持の違いを超えています。
秘密保護法は、「行政機関の長」が「安全保障」に関わると判断すれば、どんな行政情報も「特定秘密」と指定し、半ば永久的に国民に隠し続けることができる法律です。国民の「知る権利」を奪い、国民主権を踏みにじるのは明らかです。「特定秘密」は、故意であれ、過失であれ、漏らした公務員が重罰に科せられるのはもちろん、「秘密」とは知らなくても「秘密」を知ろうとした国民も処罰されます。未遂でも、共謀、教唆、扇動しただけでも罰せられます。基本的人権の侵害は明らかです。
安倍政権は秘密保護法の制定を、「戦争司令部」として設置した国家安全保障会議(日本版NSC)でアメリカなどの情報を得やすくするためと明言しました。憲法の平和主義を踏みにじり、アメリカといっしょに海外で「戦争する国」になるねらいは明白です。あらゆる面で憲法の基本的な原則を破壊するこんな悪法を、国民が許せないのは当然ではありませんか。
違憲の悪法やめさせる
安倍政権は国会審議の最終盤になって、国会答弁や一部の野党との協議で、「特定秘密」の指定や解除を監察する機関を首相官邸や内閣府に置くと言いだしました。国民の批判がこたえたのでしょうが、法案の根幹を変えないただの口約束に、何の保障もありません。
違憲の悪法の強行は断じて許されません。安倍政権があくまで国民に押し付けるなら、いよいよ国民からの孤立を深めるだけです。