しんぶん赤旗日刊紙22日付「主張」

「自共対決」が鮮明

“二つの審判”下す京都の選挙

京都府知事選が告示されました(4月6日投票)。「府政転換世直し府民ネット」の尾崎望候補(京都民医連会長、日本共産党推日本共産党4つの旗薦)と自民・公明・民主・維新の会が推す山田啓二現知事との一騎打ちです。知事選と同日投票で、28日告示の三つの府議補選(京都市北区、宇治・久世郡、城陽の各区)もおこなわれます。

「危ない政治止めて」

安倍晋三政権が強行をねらう消費税の増税直後たたかわれる全国注視の選挙です。首相の増税決断に「敬意を表する」といった現知事のもとで、京都経済は事業所減少率全国ワースト1(被災地を除く)、府民の給与所得は15年間で460万円から335万円と125万円(全国平均は69万円)も減っています。「消費税が上がったら店をたたまなアカン」と商店主の悲鳴があがっています。

京都府は、舞鶴市(人口8万9千人)が福井県の高浜原発からの30キロ圏内にほぼ全域が入るのに重大事故の際の住民の避難手段が3500人分しか確保されていないなど原発問題も深刻です。若狭原発群で事故が起これば近畿の“水がめ”=琵琶湖も汚染されます。再稼働を狙う関西電力と、これを後押しする安倍政権、現知事への不安と怒りの声があがっています。

京都ではいま、米軍レーダー基地設置(京丹後市)も大問題となっています。全国で「基地なくせ」の声が広がっているときに近畿初の米軍基地を容認して「戦争する国」への道を後押しする、国いいなりの冷たい官僚知事に批判の声があがっています。

作家で91歳の瀬戸内寂聴さんは新聞紙上で「残りわずかな命を秘密法反対に捧(ささ)げる」と宣言し、京都出身の野中広務元官房長官は国会で、解釈改憲による集団的自衛権行使について、「今の内閣の歩んでいる道は非常に誤りつつある」と批判しました。「軍靴の響き、戦前の繰り返し」と募金袋に書いてくれた府民や、「安倍政権の歴史認識は容認できない」と尾崎さんへの期待を表明した宗教団体幹部も。府知事選は、「安倍政権の暴走への審判」とともに、「安倍政権と一体に暴走する山田府政」への、“二つの審判”を問う選挙です。

「子どもの貧困」と向き合い、小児科医で、行動する医師の尾崎さんへの期待が高まっています。安倍政権の暴走と対決し、「国にハッキリものをいう」尾崎さん、大企業中心ではなく中小企業を支援し、中学校給食や中学生までの子どもの医療費無料化など、「何よりも府民生活」をモットーに「地域循環型の京都経済」を提唱する尾崎さんに、これまで自民党を支持してきた業界団体からも支持や推薦が寄せられています。

新しい政治きり開く

府知事選と同時に行われる三つの府議補選は、いずれも共産党と自民党の一騎打ちです。昨年夏の参院選で、定数2の京都選挙区で倉林明子さんが当選したことが、京都の政治地図を変え、メディアも「上げ潮共産」「共産に存在感」と注目しています。

自民党のある幹部は、「この選挙で堂々とした勝ち方をしないと、来年の統一地方選は大変だ」と語っています。日本共産党と保守を含む広範な府民の共同で知事選、府議補選を勝ち抜くことは、安倍政治に痛打を与え、新しい政治を切り開く確かな力になります。

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