しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2015年5月27日(水)

主張

戦争法案審議入り

戦後最悪の法案廃案しかない

戦後日本の国のあり方を根本から転換する「戦争法案」が26日の衆院本会議で審議入りし、本格的な論戦が始まりました。日本共産党は、志位和夫委員長が代表質問に立ち、安倍晋三政権が法案に銘打った「平和安全」の名とはまったく逆に、その正体が日本を「海外で戦争する国」につくりかえる「戦争法案」に他ならないことを鮮明にしました。

首相はまともに答えず

志位氏が代表質問で告発したのは、憲法9条を根底から破壊する「戦争法案」の三つの大問題です。安倍首相はいずれの問題IMG_4957日刊紙「主張」に対してもまともに答えず、無責任な姿勢を示しました。

法案の第一の問題は、米国が世界のどこであれ、アフガニスタン報復戦争(2001年)やイラク侵略戦争(03年)のような戦争に乗り出した際、自衛隊がこれまで「戦闘地域」とされてきた場所にまで行って軍事支援を行うことです。

戦闘行為が行われる可能性がある場所(戦闘地域)まで自衛隊が行けば相手から攻撃される可能性があり、攻撃されれば自衛隊は武器を使用する。自衛隊が武器を使用すれば相手はさらに攻撃し、戦闘になるのではないか―。志位氏の追及に、首相は「自衛隊が戦闘行為を行うことはない」と弁明しました。ところが、「自衛隊の活動している場所が現に戦闘行為が行われている現場となる場合」があることを認め、「不測の事態に際して自衛隊員の生命や身体の防護」のため「武器を使用できる」と答えました。これがなぜ憲法9条が禁止する武力の行使ではないのか全く説明はありません。

第二に、国連が統括しない活動にも自衛隊が参加し、形式上「停戦合意」があるが、なお戦乱が続く地域で治安維持活動などを行い、武器の使用も任務遂行のためなどに大幅拡大することです。

首相は、停戦合意や自衛隊の受け入れ同意が前提としたものの、アフガン報復戦争を受けて展開した国際治安支援部隊(ISAF)のような活動に自衛隊が参加する可能性を否定しませんでした。ISAFは米軍主導の「対テロ」掃討作戦と混然一体となり、約3500人の戦死者を出しています。ここでも自衛隊が「殺し、殺される」戦闘に参加する危険は明白です。

第三は、日本がどこからも武力攻撃を受けていないのに、集団的自衛権を発動して米国の戦争に参戦し、自衛隊が海外で武力を行使することです。

首相はこれまで米国の先制攻撃の戦争でも日本が集団的自衛権を発動することを否定していません。一方で首相はこの日、国際法上違法な武力行使をするような国を支援することはないと答弁しました。ところが、志位氏が日本政府は国連加盟以来、米国の武力行使について国際法上違法な武力行使として反対したことが一度でもあるかとただしたのに対し「反対したことはない」と明言しました。

米国の言われるままに

米国はベトナム侵略やイラク侵略など国際法違反の戦争を繰り返してきました。米国の無法な戦争に一度も「ノー」と言ったことのない日本が米国の言われるままに参戦する危険は明らかです。

「戦争法案」は憲法を幾重にも踏みにじる戦後最悪の法案です。徹底審議の上で廃案に追い込む世論と運動が求められます。

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