しんぶん赤旗日刊紙 きょうの潮流より

2015年9月3日(木)

きょうの潮流

東京湾を圧するかのように無数の軍艦が列をなした1945年9月2日。米戦艦ミズーリに乗り込んだ日本の全権団はポツダム宣日本共産党4つの旗言を受諾する降伏文書を交わしました▼日本が正式に降伏したVJデー(対日戦勝記念日)。この日を第2次世界大戦終結の節目とする国は多い。日本に侵略された中国も翌3日を抗日戦争勝利記念とし、今年から祝日としました▼きょう中国政府は「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」と題した行事を開きます。式典には国連の潘基文事務総長が出席しますが、会談した大島理森衆院議長は日本の政府や国民が懸念していると伝えました▼国連の中立性を問題にしているようですが、それを懸念する国民がどれほどいるのか。潘事務総長は「過去の教訓を学び、どのように未来に応用できるか学ぼうとしている」と、他の戦後式典や広島に国連の幹部を派遣したことをあげ、特別ではないと強調しています▼30カ国の首脳も参加し、米国も国連事務総長の出席について「戦争の犠牲者を敬うことは適切」だと。式典とともに開く軍事パレードは不要ですが、「先の大戦への深い悔悟の念」(安倍談話)を誓うなら、どうしてこうした催しに背を向けるのか▼ドイツは節目の今年、改めて過去の過ちを認め、関連する式典でナチスの蛮行にたいする明確な謝罪と責任を口にしています。アジアの人びとを苦しめた反省もせず、戦後の立脚点さえ定まらない政治の無軌道ぶりは、国民や世界を不幸にするだけです。

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