2016年5月4日(水)
きょうの潮流
「憲法をぞうきんのように使え」。101歳の現役ジャーナリスト、むのたけじさんが前に語っていました。憲法は実生活から離れたものではなく、日々の生活の中で使う日常品だと▼むのさんは朝日新聞の特派員として戦場で取材した経験があります。人間を狂わせる戦争を止められなかった無念さ。だからこそ、不戦を誓い、人類に希望をもたらした憲法9条の太陽の輝きを、いつまでも守りたいといいます▼おびただしい命の犠牲から生まれた日本国憲法。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義―。ぴかぴかの憲法が高らかにうたった理念は、自由の息吹とともに新しい日本の未来を指し示しました▼今年は憲法が公布されてから70年。いま、改憲にのめりこむ安倍政権のもとで憲法をめぐるたたかいが激しさを増しています。国民の多くが危機感をもち、直近の各世論調査でも改憲反対の声は増え、変える必要があるとの声は減っています▼憲法記念日の3日。各地の集会やデモは憲法守れの熱気に包まれ、むのさんもスピーチした中央集会には5万の人びとが改憲許すまじの思いを結集しました。幅広い参加者と多彩な訴えは、世界に先立つ憲法の豊かな中身を体現していました▼共産党の志位委員長は「変えるべきは憲法ではない。それをないがしろにする政治です」。固い決意を胸に続々と会場に押し寄せる市民。そして安倍政権を打倒し、立憲主義を取り戻すために手をつなぐ野党。その姿こそ、憲法が育んできた新しい希望です。写真はきょう4日のしんぶん赤旗日刊紙1面より。