しんぶん赤旗日刊紙「きょうの潮流」

きょうの潮流

「万一戦争が起きれば、真っ先に(朝鮮半島の)非武装地帯(DMZ)を超えることになる」。米軍準機関紙「星条旗」がそう指摘するのは、米軍三沢基地(青森県)配備のF16戦闘機部隊です(19日電子版)▼相手のレーダーやミサイル基地の破壊が任務。敵地に入って相手を刺激して敵の攻撃を誘い、その位置を特定・破壊する―。部隊司令官は同紙にそう説明します。いまの最大焦点は北朝鮮だとも。「天候が許せば、北朝鮮の対空システムへの攻撃訓練を日々行っている」▼米CBSテレビは、三沢基地のF16の後部座席に搭乗した記者によるリポートを伝えています(4日)。雪が積もる山をかすめるように上ったかと思うと、湖を水面すれすれに飛行。コックピット内に「上昇せよ」という警告音が鳴り響きます▼日本の航空法は「最低安全高度」以下の飛行を禁止しています。その高度は人口密集地で300メートル、それ以外で150メートル。日本の法律など、そっちのけです▼「きょうは何の任務?」と尋ねる記者にパイロットは「攻撃任務だ」。再び水上から超低空で接近すると、「敵の港」への爆弾投下を模擬訓練―。「標的は制圧したか?」の問いに「そうだ」。こんな訓練が日本の国土で行われています▼米軍が日本を足場に進める戦争準備。23年前の北朝鮮危機で軍事攻撃を検討したペリー元米国防長官は、戦争になれば日本の被害は「第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する」と警告します。いま必要なのは危機回避のための外交です。

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