しんぶん赤旗」カテゴリーアーカイブ

3月5日付しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2017年3月5日(日)

主張

保険料の「滞納」

住民を追い詰める対応やめよ

国民健康保険料(税)と後期高齢者医療制度保険料を「滞納」した世帯数・人数(昨年6月時点)を、厚生労働省が公表しました。国保で約312万世帯が、後期医療で約23万人が「滞納」しており、多くの人が保険料の支払い困難に直面している実態を浮き彫りにしています。「滞納」に対する“ペナルティー”として行われる正規保険証の取り上げ数も国保で約118万5000世帯、後期医療で約2万3000人にのぼります。負担能力を超える保険料を払えずに保険証を失い、必要な医療も受けられない―。こんな事態をいつまでも続けることは許されません。

矛盾深める「資格証」発行

年間所得250万円の4人世帯に年間40万~50万円以上の国保料の支払いが求められるなど、国保料の高騰が各地の市区町村で大きな問題になっています。負担能力をはるかに超える保険料を払えず、やむなく「滞納」する世帯は少なくありません。厚労省の発表では、「滞納」世帯数は昨年より若干減ったものの、依然300万世帯を超える高水準なのは深刻です。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」より

2014-akahata-top.jpgしんぶ2017年2月1日(水)

主張

「赤旗」創刊89周年

国民とともに時代動かす新聞

「しんぶん赤旗」はきょう、1928年2月1日の創刊から89周年を迎えました。日頃のご購読、ご協力に改めて感謝申し上げます。「赤旗」は戦争や弾圧で発行を中断された時期もありましたが、反戦平和、自由と民主主義、国民の権利と生活擁護の旗を掲げ続けてきました。強権・暴走政治を加速する安倍晋三政権と対決する野党と市民の共闘が広がる激動的情勢の中で、“タブーなく真実を伝える国民共同の新聞”として新たな注目を集めています。期待と役割を自覚し、国民とともに政治の新しい時代をさらに前へ動かすため、力を尽くします。

真実を伝える原点に立ち

「赤旗」(当時の呼称は「せっき」)は22年7月に創立された日本共産党の機関紙として発行されました。25歳以上の男子が選挙権を持った日本初の普通選挙(28年2月)を控えた時期、非合法にされていた日本共産党が「赤旗」を通じて、国民の前に姿を現したのです。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

0118gazania2017年1月18日(水)

主張

マイナンバー運用

なし崩し拡大はあまりに危険

日本に住民票を持つ全員に12桁の番号を割り振り、国が税や社会保障の情報を管理するマイナンバー制度で、住民にたいするマイナンバー(個人番号)カードの交付が始まってから今月で1年になります。安倍晋三政権はカードの“利便性”の宣伝に力を入れ普及を促しますが、希望者数はほとんど頭打ちです。この仕組みが、住民にとって不必要で、不安が強いものであることを浮き彫りにしています。それなのに、政府はマイナンバーを使える対象を広げることばかりに熱を上げています。国民を置き去りにした前のめり姿勢は、きわめて問題です。

普及促進へ税金を次々と

マイナンバー制度は2015年10月に施行され、住民に番号を通知する紙製のカードが約5900万世帯に向けて発送されました。16年1月から本格運用が始まり、税の手続きの際などに使えるようにしたほか、取得を希望する人には個人番号、顔写真、氏名、住所、生年月日などが記載されたプラスチック製のマイナンバーカードが発行されるようになりました。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

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2017年1月11日(水)

主張

東京五輪会場整備

混迷から抜け出す議論こそ

新しい年が明け、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催まで3年と迫りました。その準備は、いよいよ待ったなしの段階を迎えています。とりわけ早期の打開が求められているのが、主要な競技会場の整備問題です。

将来をしっかりと見据え

メイン会場となる新国立競技場は、基本設計の見直しで約1500億円に建設費を抑え、昨年着工に踏み出したものの、総工費の高騰への危惧も払しょくされていません。国と東京都の経費負担の区分、聖火台の設置、仮設席の取り扱い、五輪後の使用と維持などの課題も山積みされたままです。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙の記事より

2017年1月6日(金)

翁長知事「県民不在だ」

オスプレイの空中給油再開

写真

(写真)記者団の質問に答える翁長知事=5日、沖縄県庁

沖縄県の翁長雄志知事は5日、オスプレイの空中給油再開について県庁で会見し、「県民に寄り添うと言いながら、米軍の要求を最優先する政府の姿勢は、信頼関係を大きく損ねるものであり、強い憤りを感じている」と語りました。

翁長知事は、給油訓練再開について中嶋浩一郎沖縄防衛局長が県にした説明について「県民が納得できるような安全性に関する説明が十分とは言えない」と指摘しました。

また、「事故原因等を検証する過程で県民の声を聞くことなく、訓練再開を一方的に通告するような対応が繰り返されていることは、県民不在と言わざるをえず、たいへん遺憾だ」と強調。「県として政府に対し、訓練再開を検証するにあたり米側の意見を一方的に追認するのではなく、県の意見を十分に反映させる仕組みの構築を求めるとともに、オスプレイの配備撤回を強く働きかけていく」と語りました。

しんぶん赤旗日刊紙「きょうの潮流」

きょうの潮流                                                                   1231dsc_4378s2016年が暮れてゆきます。それぞれの喜びや悲しみ、世の出来事も、年の移り変わりとともに心のうちに折り重なっていきます▼〈ゆく年を橋すたすたと渡りけり(鈴木真砂女)〉。振り返って感慨にふけることもなく、新しい年に向かう人も。いずれにしても、どこかで折り合いをつけながら人は前に進んでいきます▼年末にオバマ米大統領と真珠湾を訪れた安倍首相は「和解の力」を強調しました。75年前、ここを発端に戦火を交えた日米。寛容の心が両国を結びつけ、パールハーバーはその象徴だと▼日本が起こした戦争については黙して、戦没者を哀悼し、希望を語る。いくら言葉を飾っても、日本の首相としてどんなに無責任で空疎な演説か。あの戦争で犠牲になった人びとを「慰霊」するというなら、なぜ侵略と植民地支配によって筆舌に尽くしがたい苦しみを与えたアジアの国々に足を向けないのか▼首相とともに真珠湾を訪問した稲田防衛相が戻った足を運んだのは靖国神社でした。戦争を正しかったとする勢力の本拠地。そこへの防衛相の参拝は、歴史と誠実に向き合って折り合いをつけるどころか、対立と分け隔てを深めるだけです▼この政権の欺まんと正体が鮮やかに。年が改まっても、国の行く末を誤り、生活を危うくするアベ政治がつづくかぎり、たたかいはさらに。今年の本欄も沖縄のたたかい、そして安倍政権に対して野党と市民が共闘する姿を多く。その息吹を伝える「しんぶん赤旗」を、来年もどうぞよろしく。