しんぶん赤旗」カテゴリーアーカイブ

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年2月20日(土)

主張

野党5党首の合意

戦争法廃止への画期的な確認

日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党の野党5党の党首会談が開かれ、戦争法廃止法案の国会提出とともに、戦059日刊紙1面争法廃止や安倍晋三政権打倒に向け、国会や国政選挙で協力を行うことなどを確認しました。憲法に真っ向から反する戦争法を安倍政権が強行成立させてから5カ月―。安倍政権への国民の批判と怒りが広がるなか、野党5党の間でしっかりした合意を実現したことは、安倍政権の暴走を止めたいと願う国民世論を受け止めたものです。立憲主義を取り戻す国民のたたかいの前進のための画期的な合意です。(写真は20日しんぶん赤旗1面トップ記事)

国民の声が前に進めた

空前の規模で広がった昨年来の戦争法反対のたたかいは、成立後も継続し、各地で広がりを見せています。圧倒的多数の国民は成立後も戦争法を支持していません。この声を受け止めることが政治に課せられた重い責任です。

戦争法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、安倍政権の打倒、国政選挙で与党とその補完勢力を少数に追い込む―日本共産党の志位和夫委員長、民主党の岡田克也代表、維新の党の松野頼久代表、社民党の吉田忠智党首、生活の党の小沢一郎代表が合意した内容は、国民の切実な思いに正面からこたえたものです。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年2月19日(金)

主張

税制法案審議入り

大企業減税と庶民増税やめよ

2016年度予算案の審議と並行して、赤字国債の発行や税制改定など歳入関連法案の衆議院での審議が始まっています。財赤旗政法に違反した赤字国債を今後5年間発行できるようにする特例公債発行延長法案は重大な中身です。税制改定法案は大企業減税を前倒しで強行し、国民には17年4月からの消費税増税を押し付ける言語道断な法案です。それぞれの法案を徹底審議するのは当然です。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の筋書きは破綻しており、とりわけ大企業減税と庶民増税は中止すべきです。

減税の恩恵大企業に集中

大企業減税は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指すと公言する安倍政権のもとで繰り返されてきたもので、16年度は国税の法人税と地方税の法人事業税などの税率を合計した実効税率を、当初の予定を前倒しして20%台にまで引き下げることを狙ったものです。実効税率は15年度の32・11%が29・97%に下がります。財界・大企業は法人税減税を繰り返し要求しており、減税強行はその要求に応えたものです。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年2月8日(月)

主張

2000万署名

戦争法廃止の願いを束ねる要

全国各地で「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」が推進され、「戦争法は何としても廃止したい」「廃止のために野党は共闘を」との広範な国民の切実な願いが寄せられています。

政府を変える大きな力

この署名は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」をはじめSEALDs(シールズ)(自由と民主主義のための学赤旗生緊急行動)、学者の会、ママの会など戦争法反対の行動を続ける29団体が呼びかけ昨年11月にスタートしました。政治について考え声を上げるのは当たり前という、主権者としての強い自覚をもって立ち上がった新しい国民運動が、「言うこと聞かなければ政府を変える」とバージョンアップした取り組みです。

直近の国政選挙で自民党が得票した比例票は1700万~1800万票です。それを上回る2000万人の署名を今年の憲法記念日(5月3日)に向け、わずか半年でやりとげるという、これまでやったことのない歴史的な運動です。 続きを読む

昨日のしんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年2月1日(月)

主張

「赤旗」創刊88周年

新しい政治へ国民とともに

「しんぶん赤旗」はきょう、1928年2月1日の創刊から88周年を迎えました。日頃からのご愛読、ご支援に感謝申し上げます。戦赤旗争法成立を強行し、明文改憲さえ公言する安倍晋三政権の暴走政治と、それに立ち向かう国民のたたかいが高まりをみせる激動の情勢です。「赤旗」は創刊以来、反戦平和、自由と民主主義、国民の権利と生活擁護の旗を掲げてきました。その歴史と役割を深く自覚し、安倍政権を打倒し新しい政治を実現するため、幅広い国民との共同の発展へさらに力を尽くします。

反戦平和の原点を貫き

「赤旗」創刊(当時の呼称は「せっき」)は、日本共産党の創立(22年7月)から6年後、戦前の日本が中国への介入・侵略を拡大するさなかの、総選挙の直前でした。非合法下で弾圧にさらされていた日本共産党が「赤旗」を通じ国民の前に姿をあらわしたのです。「赤旗」は日本の中国東北部(満州)への侵略戦争(31年9月)の何カ月も前から、文字通り命懸けで戦争の危険を告発し、「一銭の軍事費も出すな!」「一人の兵士も送るな!」と呼びかけました。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「潮流」

2016年1月18日(月)

きょうの潮流

女優の北川景子さん(29)が先日、歌手でタレントのDAIGOさんとの結婚を発表しました。幸せに包まれた会見。しかし彼女は日本共産党4つの旗「一生の罪悪感」を背負っているといいます▼神戸市内に住んでいた小学2年のときでした。あの日、煙火の中を弟と必死に逃げました。迫る炎、瓦礫(がれき)の下から「助けて」と叫ぶ人たち。友だちの半分近くを亡くしながら生き残った自分。「生かされた意味」を考え続けてきたと▼あれから21年。1月17日のブログには「犠牲者の皆様へ鎮魂の意を胸に 決して忘れず、伝えて行けますように」とつづりました。大切な人を失った悲しみ、生きていく苦しみ。いくら歳月が流れても消えることはないでしょう▼今年の東遊園地の追悼のつどいでは竹の灯籠に「未来」の文字が添えられました。神戸を歩けば様変わりした街並みが目に入ります。しかし、いまなお多くの被災者は生きるためのたたかいを余儀なくされています▼「市の職員が毎日3人でやってきて『転居せんとあかん』といわれて」。県や市が民間から借り上げた公営の復興住宅。20年の期限があるからと退去を迫られている入居者たちが恐怖や怒りを本紙に話しています。被災者に心を寄せない復興の姿です▼東日本大震災の被災地でも「街は変わったが、生活は変わらない」という声が口々に。くらしの拠点さえ定まらない復興や支援。それを住民本位に変えていくことは今後にも生きるはず。被災者が、ほんとうに未来へ踏み出していけるためにも。

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年1月13日(水)

主張

マイナンバー始動

不安と懸念は深まるばかりだ

日本国内に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、国が一元管理するマイナンバー制度の運用が、今月から始まり日本共産党4つの旗ました。市区町村の窓口での社会保障や税の手続きの一部などで番号提示が求められます。本人に番号を知らせる「通知カード」を届ける作業は完了のめどすらありません。自分の番号を知ることが制度運用の大前提だというのに、それすらできない人が膨大に残されていること自体、制度の矛盾です。こんな状態で国民のプライバシーに直結する制度の“見切り発車”は、あまりに危険です。

未通知も解消しておらず

自治体の窓口では4日から、児童手当申請や国民健康保険の加入手続きなどで、書類に個人番号の記入を求めることを始めました。しかし、それを知らずに手続きにくる人が各地で相次いでいます。周知されてない仕組みに住民は戸惑い、自治体職員は窓口での説明や対応に追われる事態です。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年1月11日(月)

主張

成人の日

主権者として政治を変えよう

新成人のみなさん、おめでとうございます。人生の門出にあたって、みなさんの前途を心から応援します。

新たな動きの始まり

昨年、安倍晋三政権による戦争法の強行成立にたいして、SEALDs(シールズ)(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはIMG_7095成人式記念撮影1面じめ若者が、全国で声を上げました。一人ひとりが主権者として、自分の頭で考え、自分の言葉で語り、自分の足で行動する。政治にあきらめず、主権者である自分たちが変えるんだ、と強い自覚をもって立ち上がる。こうした若者の姿は多くの世代を励ましました。

「未来は私たち一人ひとりの手の中にある」―。昨年末におこなわれたデモで、若者が訴えた言葉です。新成人への意識調査では、65%が「自分たちの世代が“日本を変えてゆきたい”」と答えています。自分たちの将来を脅かす政治を、自分たちの力で変えるんだという流れは、とどまるところがありません。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「潮流」より

2016年1月6日(水)

きょうの潮流

三が日の後、すぐの仕事始め。夏の参院選につながる国会も開会し、新しい年の幕開けは駆け足で進んでいきます。世の中の性IMG_7054赤旗1面トップ記事急な動きを映しているようで、なんとも慌ただしい▼きょうは小寒。〈夕焼けに野川が染みつ寒の入り〉(秋桜子)。ほんらいは最も寒さ厳しい日々がつづく時期ですが、こう暖かくては調子もおかしくなります。急ぎ足の中でも無理をせず、心と体をいたわる時間をつくりたい▼あすは七草。それぞれ効用のある春の七草を食し、一年の健康を願います。もらった年賀状にこんな“七草”がありました。セリ(自由)ナズナ(平等)ゴギョウ(博愛)ハコベラ(民主)ホトケノザ(立憲)スズナ(主権)スズシロ(9条)▼「美しい祖国(国民連合政府)をめざすわたしの春の七草事始」。日本人が風習として親しんできたものに、いまの市民革命的な状況を重ね合わせ、さらに運動がひろがるよう―。作者で詩人の浅尾忠男さんが込めました▼年が明けても国民の新しい歩みはたゆみなく。戦争法廃止と立憲主義の回復を求める「市民連合」が開いた初の街頭宣伝。主権者である自分たちが政治を変えていく。安倍政権を倒すために野党は共闘を。胸に響く訴えが次々と▼上智大教授の中野晃一さんは「今年が良い年になるか、悪い年になるか。それは私たちの手にかかっている」。精神科医の香山リカさんは、個人が尊重される社会をめざし携えてきた手を離さないと。「心や言葉を持った人間であることのたたかいだ」                                 写真は1月6日しんぶん赤旗日刊紙1面トップ記事より

しんぶん赤旗「主張」

2015年12月26日(土)

主張

原発回帰の危険性

道理ない再稼働に問題が山積

今年夏に九州電力川内原発1、2号機が再稼働したのに続き、四国電力伊方原発3号機でも再稼働の準備が進み、福井地裁の日本共産党4つの旗仮処分決定で再稼働が差し止められていた関西電力高浜原発3、4号機でも24日、地裁の決定が取り消され、再稼働への動きが本格化することになりました。いずれも安倍晋三政権の原発回帰の政策を背景に、原子力規制委員会での審査や地元自治体の同意を受けたものですが、原発再稼働は決して安全を保証しません。電力が不足しているわけでもないのに、電力会社の経営を優先した道理のない原発再稼働には問題が山積しています。

安全のお墨付きにならぬ

安倍政権は、原子力規制委が東京電力福島原発の事故後作った規制基準で「合格」と認めたことを原発再稼働の一番の理由にあげますが、川内原発や伊方原発でも、高浜原発でも明らかになったのは、規制基準は万能ではなく、たとえ基準に合格しても安全とはいえないことです。新しい基準は、地震や津波の想定などを見直しています。しかし世界有数の地震国で、想定以上の地震が起きない保証はどこにもありません。 続きを読む

しんぶん赤旗日刊紙「きょうの潮流」

2015年12月6日(日)

きょうの潮流

銀幕から消えて半世紀がたつのに亡くなってこんなに騒がれる女優も珍しいでしょう。先日、訃報が伝えられた“伝説の女優”原節日本共産党4つの旗子さんです▼各紙で特集が組まれましたが、本紙日曜版6日号に新しい発見がありました。原さんが1950年に核兵器禁止を求める「ストックホルム・アピール」に署名していた、との記事です▼アピールには、女優の田中絹代さんや高峰秀子さんも署名しています。戦前、戦意高揚の国策映画に駆り出された原さんが、どんな思いで署名したのか。それを知る手掛かりはありません。しかし当時の映画人が、“もう戦争はこりごり”との思いを映画に託してきたことだけは間違いないでしょう▼原さんと多くの名作でタッグを組んだ巨匠・小津安二郎監督もその一人。代表作「東京物語」(53年)で原さんが演じたのは、夫を戦争で亡くした妻の役でした。将来を案じる義母が再婚を勧めますが、「いいんですの。私、年を取らないことに決めてますもの」とやんわり否定。その夜そっと布団の中で涙を流します▼恐らくこんな光景は、当時、日本の至るところで繰り広げられていたのでしょう。山田洋次監督の新作「母と暮せば」でも、原爆で息子を亡くした母と息子の恋人との間でそんな会話が交わされます。最愛の息子を亡くした母の悲しみ。葛藤を乗り越えて息子の恋人の幸せを願う精神の崇高さ▼小津監督は「人間を描けば社会が出てくる」と。「母と暮せば」もしかり。切なく温かく普遍的な物語です。