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しんぶん赤旗日刊紙「主張」

2016年6月1日(水)

主張

安倍内閣不信任案

失政の責任を明確にすべきだ

通常国会の会期切れの6月1日が迫り、安倍晋三首相が来年4月からの消費税増税の再見送りを表明する中で、日本共産党、無題民進党、社民党、生活の党の野党4党が、安倍内閣不信任決議案を国会へ提出しました。憲法違反の戦争法の強行と立憲主義の破壊をはじめ、数々の暴走と経済政策の行き詰まりに照らせば、安倍内閣が信任できず、退陣に値するのは明らかです。安倍政権は数の力で不信任決議を封じ込め、居座りを続けるのではなく、自らの失政の責任を明らかにして総辞職すべきです。

「アベノミクス」は総破綻

安倍政権は昨年の国会で強行した戦争法について成立後もていねいに説明するという約束に反して、野党がそろって要求した臨時国会の開催にも応じず今年3月に施行を強行、今国会で野党が提出した廃止法案の審議にも応じず、「戦争する国」への道をひた走っています。安倍首相は憲法を乱暴に踏みにじる「解釈改憲」だけでなく、憲法9条などの「明文改憲」に乗り出すことを公言し始めました。憲法を踏みにじる安倍政権に、政権担当の資格がないのは明らかです。国会決議に違反した環太平洋連携協定(TPP)の強行などとともに、野党と国民から不信任を突き付けられるのは当然です。

この3年半の安倍政治でなにより深刻なのは、経済運営の行き詰まりです。安倍首相は政権発足以来、日本経済の「再生」を最優先させると「アベノミクス」と呼ぶ経済政策に取り組んできました。円安や減税で大企業のもうけを増やせば家計や消費も潤うという「トリクルダウン」(滴り落ち)の筋書きでしたが、今やその破綻は明らかです。大企業の大もうけはため込みに回るだけで、賃金にも雇用にも回っていません。勤労者の実質賃金は5年連続のマイナスです。家計の消費支出は4月も前年同月比実質0・4%の減少です。経済の6割を占める消費が回復しなければ、経済は再生しません。 続きを読む