2015年1月27日(火)
主張
政党助成法廃止
実現に向けて真剣な検討を
日本共産党国会議員団が26日開会した通常国会に、政党助成法の廃止法案を提出しました。昨年末の総選挙で議席を21議席に増やし、参院に続き衆院でも日本共産党だけで議案が提出できる議案提案権を獲得した党国会議員団としての最初の実践です。日本共産党は政党助成法廃止法案の提出にあたり、すべての政党・会派に対し真剣な検討を呼びかけています。国会での討議を通じ、廃止を実現することが求められます。(写真はしんぶん赤旗日刊紙1面)
企業献金禁止を前提に
国民1人当たり250円の負担で、年間約320億円の税金を、届け出た政党に配分する政党助成金は、1995年に小選挙区制の導入と並ぶ「政治改革」として実施されたものです。もともとは80年代末から90年代初めにかけていっせいに噴き出した、「政治とカネ」をめぐる問題が背景です。
中央、地方を問わず多くの政治家や高級官僚に未公開株をばらまいたリクルート事件や、建設業界から巨額の賄賂を受け取り当時の自民党副総裁が「金塊」などをため込んでいた巨額脱税・ゼネコン汚職事件などは、企業・団体献金が温床となった、政治腐敗の醜悪さを浮き彫りにするものでした。企業・団体献金を禁止すべきだという世論が高まるなかで、政府や自民党も政治資金の流れを、「政党中心」にするといわざるをえなくなり、企業・団体献金の禁止を前提に、税金で政党財政を支援する政党助成金の導入が持ち出されてきたのです。
90年に選挙制度や政治資金の改革について答申を発表した政府の第8次選挙制度審議会も「将来の姿」としては「政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましい」と指摘しました。93年に就任した細川護熙首相も所信表明演説で、企業・団体献金は公費助成の導入により「廃止の方向に踏み切る」と明言しました。小選挙区制とともに政党助成金が導入されてから20年もたつのに、企業・団体献金がいまだに禁止されていないのは、政党助成金を続ける道理も大義もないことを示しています。
もともと支持政党や政党を支持するかどうかに関わりなく国民に一律に負担させる政党助成金は、国民の「思想・信条の自由」や「政党支持の自由」に反するものです。日本共産党は制度発足以来、憲法違反の政党助成金は1円も受け取っていません。国民の権利を尊重するなら、政党はまず受け取りを辞退するのが当然です。
日本共産党以外の政党はこの20年間受け取りを続け、自民党は約6割、民主党は8割も助成金で財政を賄っています。しかも政党助成金を受け取る政党として届け出る時期になると新党の結成や解散が相次ぐように、税金頼みの活動は政党そのものを堕落させています。政党助成金を続けるのはまさに百害あって一利なしです。
国民には消費税押し付け
この20年間、政党助成金として配分された金額は、総額で約6311億円にのぼります。財政悪化を理由に国民には福祉の削減や消費税の増税まで押し付けているのに、毎年巨額の税金が道理のない政党助成金に使われているのは、財政問題としても大問題です。
政党助成金はただちに廃止すべきです。廃止してこそ、国民本位の政治の実現が開けます。