しんぶん赤旗日刊紙 「きょうの潮流」より

2015年4月29日(水)

きょうの潮流

「大坂」という地名が最初に記されたのは室町時代だといわれています。浄土真宗の蓮如(れんにょ)が御坊建立を門徒に知らせ日本共産党4つの旗る書状にあり、やがてそこは本願寺の本山に。周りに寺町がつくられ、大坂は大きくなっていきます▼江戸時代に「天下の台所」といわれるほど栄えた大坂が、正式に大阪に変わったのは明治政府になってから。1889年に大阪市が誕生した頃から近代化に拍車がかかり、一時は人口、面積ともに東京をしのぐ大都市へと発展しました▼西日本の中心地として、経済だけでなく、独自の伝統や文化をはぐくんできた大阪。いまその街が、大阪維新の会を率いる橋下徹・大阪市長が強行しようとする「大阪都」構想に揺れています▼「これは、政治闘争だ」。大阪市をなくし、五つの特別区に解体することについての住民説明会。強引なやり方や手続きを問題にした市民に橋下市長は平然と言い放ちました▼「都」構想を問う突然の住民投票に戸惑い、悩み、不安を抱く大阪市民。それに対して橋下市長の口から出たのは、強力な権限と財源を一つに集中させ、高速道路や地下鉄などの大型開発を一気に進める。経済特区をつくって世界の大都市に肩を並べる。そんな話ばかり▼これまで自分がやってきたことを棚に上げ、税金のムダ遣いをなくし、医療・福祉・教育を充実させるといいますが、その保障は何も示せません。すでに始まった投票。大阪の街と市民の生活を乱暴に壊す「維新政治」に、はっきりと決着をつけるときです。

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