しんぶん赤旗日刊紙の記事より

2016年4月12日(火)

第5回中央委員会総会について

4月11日 日本共産党中央委員会書記局

一、日本共産党第5回中央委員会総会は、10、11の両日、党本部で開かれた。幹部会報告に立った志位和夫委員長は冒頭、IMG_7908日刊紙1面投票日まで3カ月に迫った参議院議員選挙は、安倍政権打倒をめざして、野党共闘成功のために力を尽くしつつ、日本共産党の躍進をかちとるという「これまでにやったことのない新たなたたかいへの挑戦」となると強調し、(1)現在の情勢の特徴と参院選の意義(2)参院選の政治論戦と(3)宣伝・組織活動の方針――を明らかにした。

(1)で幹部会報告は、現在の情勢の特徴を「戦後かつてない新しい歴史的局面」と位置づけた。一方で「戦後もっとも深刻な、権力者による憲法破壊」の進行、他方で「日本の歴史でも初めての市民革命的な動きの始まり」――参院選挙はそれらの動きの「最初の一大政治戦」となる。2月19日の「5野党党首合意」によって、政権打倒を正面の目標に掲げて野党が全国的規模で選挙協力して国政選挙にのぞむという、日本の戦後政治史で初めての事態が生まれ、市民・国民の世論と運動がその強力な背景になっている。日本共産党の野党共闘の提案が現実政治を動かしつつある。

報告は、「市民・国民と力を合わせれば必ず困難を乗り越えられる」としつつ、野党共闘の到達点と課題について詳述した後、参院選の意義と目標について、たたかいの構図は「自公とその補完勢力」対「4野党プラス市民・国民」であり、日本共産党は二つの大目標――(1)野党共闘を必ず成功させること、(2)日本共産党の躍進を実現すること、をやり抜くと強調した。4月24日投票の衆院北海道5区補選での野党共闘の勝利へ、全国の支援をよびかけた。また、早期の解散・総選挙に備えて、衆院小選挙区での野党共闘を追求しつつ、候補者擁立を積極的に推進する方針を明らかにした。

(2)で報告は、他の野党・市民と力を合わせて安保法制=戦争法を廃止し立憲主義を取り戻すことを、参院選の最大の争点にすえてたたかうと強調した。この3月末に施行された戦争法をそのままにしておくと、三つの大問題が引き起こされることを具体的に解明した。

報告は、戦争法以外の分野の政策について、破綻しつつある安倍政治の暴走に日本共産党の躍進で終止符を打ち、政治の転換をはかる課題として、経済・暮らし、TPP協定、原発、沖縄基地、平和外交の諸分野について、党の政策を詳論した。経済問題では、「アベノミクス」の破綻を具体的に明らかにし、党の「三つの改革」――税金の集め方と、使い方の改革、働き方の改革を訴えた。外交政策ではテロ問題、北朝鮮問題、南シナ海の紛争問題なども詳論した。報告は政治論戦問題の最後に、綱領路線に根源を持つ日本共産党の三つの値打ちを語ること、野党と市民の共闘を妨害する攻撃を打ち破ることを強調した。

(3)で報告は「かつてない情勢のもとかつてない挑戦」をする党の構えについて、「四つの構え」――(1)野党共闘の勝利と「比例を軸」にした日本共産党躍進を一体に追求すること、(2)「政治は変えられる」という希望を広げ、メッセージの伝え方などでさらに自己改革も進めつつ、空前の規模で働きかけをおこなうこと、(3)「市民・国民とともにたたかう」壮大な選挙戦を展開すること、(4)18歳選挙権初施行のこの選挙で若い世代への働きかけを思い切って活動全体の柱に据えること、を堅持するよう訴えた。そして「支部が主役」で五つの活動をすすめることを提起して、期限を切った諸課題の遂行をよびかけた。

報告は最後にやるべきことをやるべき期日までにやりきって勝利・躍進の道を開こうと訴えた。

一、報告にもとづいて、2日間で合計54人が討論した。

一、総会と、総会にともなって開かれた幹部会、常任幹部会は、中央委員会の次の人事を決定した。山下芳生書記局長が自らの病状について発言した。

▽書記局長 小池晃(55)。▽幹部会副委員長 山下芳生(56)、田村智子(50)。▽政策委員会責任者 藤野保史(45)。▽同副責任者 畠山和也(44)、宮本徹(44)。▽書記局次長 田中悠(34)。▽中央機関紙編集委員 藤沢忠明(64)。

▽准中央委員を中央委員に 田中悠、藤野保史、宮本徹。▽幹部会委員に選出 田邊進(67)、田村智子、藤野保史。▽常任幹部会委員に選出 田村智子、藤野保史。

一、志位委員長が討論の結語に立ち、この総会の全国の感想や討論の内容が、きわめて積極的で熱い決意に満ちたものだった、日本共産党の活動が新しい段階に入っていることを示したと特徴づけた。野党共闘が進む中で、政治は変えられるという希望が広範な人々にひろがり、日本共産党にたいするイメージが大きく変わっているという二つの変化が、討論の中で語られた、4中総決定にもとづく7カ月間の苦労が画期的な情勢を切り開いていると強調した。

結語は、野党共闘の成功、「比例を軸」にした日本共産党の躍進という二大目標を、一体的に推進できる条件が広がっており、この条件をくみ尽くすたたかいをやりとげようと強調するとともに、比例代表の目標に「魂」を入れ、必ずやり抜く立場に立って、日本共産党への支持を広げに広げることを訴えた。

志位委員長は、この総会で確認された人事について、山下芳生前書記局長の病気での交代は残念だが健康に留意して引き続き副委員長として活躍してほしいと述べた上で、書記局長の交代という機会に若い新しい同志の抜てきなど攻勢的な人事をおこなったことを強調し、新しい指導部が歴史的政治戦で一体となって奮闘する決意を表明した。5中総決定を一刻を争って全党員のものにし、必ず勝利・躍進しようと訴えた。

一、総会は、報告と結語を全員一致で採択した。総会は、参院選で勝利する決意を込め、小池晃新書記局長の音頭で「団結頑張ろう」を唱和して散会した。

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