秘密保護法案の危険
「よらしむべし」の正体見えた
「民はよ(由)らしむべし、知らしむべからず」ということばがあります。もともとは『論語』の、民は為政者の施策に従わせることはできるがその道理を理解させるのは難しいという意味だといいますが、いまは為政者は民を従わせればいいので道理をわからせる必要はないという意味で使われます。
衆院で審議が始まっている秘密保護法案はさしずめ、そのことばどおりの法案というべきでしょう。外交、防衛などの情報を安全保障に関わる「特定秘密」だと指定することによって、国民の目、耳、口をふさいで、「戦争する国」への道を突き進むものだからです。
秘密がどこまでも広がる
先週から衆院特別委員会で始まった審議で浮き彫りになったのは、秘密保護法で国民から隠そうという「特定秘密」が広範で、政府の判断でどこまで広がるかわからないという危険性です。
秘密保護法案は、「安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」という理由で、「行政機関の長」が、防衛、外交、「特定有害活動」、テロリズムの防止の4分野から「特定秘密」を指定することになっています。 続きを読む