安倍首相側近発言
打ち消しても疑念は消せぬ
安倍晋三首相の側近で知られる萩生田(はぎうだ)光一・自民党総裁特別補佐が、日本軍「慰安婦」問題での河野洋平官房長官談話の「検証」に関連して、「新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればいい」と発言して批判を受けています。「河野談話」は見直さないとの安倍首相の国会答弁と食い違っているためで、菅義偉官房長官は「個人的な発言」と打ち消していますが、首相が側近の口を借りて本音を語ったという疑念が消えません。もともと、「河野談話」を見直さないなら「検証」など必要ないのに、検証は進めるという首相の態度は矛盾だらけだからです。
「個人的発言」ですまない
萩生田氏は、自民党総裁の特別補佐として昨年8月15日の終戦記念日には安倍首相代理で靖国神社に参拝したこともある側近中の側近です。昨年12月の安倍首相自身の靖国神社参拝の後には、アメリカのオバマ政権が「失望」を表明したことに対し、「共和党政権の時代にこんな揚げ足を取ったことはない。民主党政権だから、オバマだからいっている」などと非難しました。安倍氏が任命した「自民党総裁特別補佐」の立場からも、単なる「個人的な発言」ですまされないことは明らかです。 続きを読む