主張
「カット法案」強行
年金への信頼失わせる暴走だ
安倍晋三政権と自民・公明の与党が衆院本会議で国会の会期を延長し、「年金カット法案」と批判されている国民年金法等改定案の可決を強行しました。先週末の厚生労働委員会での強行採決に続く暴挙です。与党は、参院に送付し成立させる構えです。年金は、若い時から保険料を払い続け、退職後は老後の収入の柱になる、人生設計にもかかわる大問題です。その支給の仕組みを変える法案を、十分な審議を行わず、「数の力」で押し通す政府・与党の姿勢は異常です。年金への国民の不信を高める問題だらけの「カット法案」は廃案にすることが求められます。
全世代の暮らしに影響
物価が上がっても、賃金水準が下がれば年金を減額する―。安倍政権が「カット法案」に盛り込んだ柱の一つです。これは、物価が上がれば年金額を減らさないという現在のルールの大転換です。
物価と賃金の両方が上がっても、年金額を抑制する「マクロ経済スライド」の仕組みの強化も導入します。物価も賃金も上がらなかった年の「抑制分」は翌年以降に繰り越され、年金の目減りが続くことになります。 続きを読む