日本共産党の志位和夫委員長は11日、野田佳彦首相のTPP交渉参加表明の記者会見を受けて、「TPP参加方針の撤回を求め、参加阻止へたたかいのさらなる発展をよびかける」との談話を発表しました。
一、本日、野田首相は、「TPP交渉参加にむけて関係国との協議に入る」との表明を行った。日本列島に広がった反対の世論と運動に耳をかさず、国民への説明もないまま、TPP参加に踏み出したことに、厳しく抗議し、その撤回を強く求める。
日本共産党は、TPP参加が、(1)被災地の復興の最大の妨げになり、(2)食料の安定供給を土台から壊し、(3)「食の安全」や「医療」など米国の対日要求が押し付けられ、(4)雇用と内需・日本経済全体への深刻な打撃となることを、明らかにしてきた。首相は、わが党が提起したこの四つの大問題に、何らまともな答弁はできなかった。
TPP推進の論拠が総崩れになったにもかかわらず、APEC首脳会議前にTPPへの参加方針を表明したことは、日本国民の批判や懸念よりも、アメリカの要求を優先する対米従属の姿勢が最悪の形であらわれたものであり、断じて許すことはできない。
一、「TPP交渉参加にむけて関係国との協議に入る」というが、交渉参加のためには、まずアメリカ議会の承認を得るために、アメリカとの「事前協議」が必要になる。この交渉に入るならば、関税の完全撤廃、「非関税障壁」の撤廃というTPPの二大原則を大前提に、米国農産物の完全自由化、混合診療の解禁や食品の安全基準の大幅緩和など、アメリカの対日要求を「丸のみ」させる場となる危険がきわめて大きい。
政府が、TPP参加に向けた手続きを強行するなら、その一歩一歩が国民との矛盾をいよいよ広げ、国民の批判と怒りをいよいよ激しくするものとなるだろう。
たたかいは、これからがいよいよ重要になる。日本共産党は、TPP参加を何としても阻止するために、国民的共同のたたかいのさらなる発展をよびかけるとともに、その一翼を担い総力をあげて奮闘する決意である。
写真は11日に井原高校園芸科の3年生が井原市役所正面玄関前に木や草花を植えた大鉢やプランター