原発廃止に踏み出したドイツ政府の決定は、世界でも驚きを持って迎えられました。前年の10年9月に決定したばかりの原発稼働期間延長計画を撤回したものだったからです。
ドイツでは、社会民主党(SPD)と90年連合・緑の党の連立政権時の2000年に、政府と電力業界が21年をめどに原発を漸次廃止する合意文書に調印しました。しかし、この原発廃止の流れは、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由民主党(FDP)連立のメルケル政権によって中断されます。
同政権は、21年廃止の期限を先延ばしし、原発の稼働期間を延長することにしたのです。この決定には環境保護団体から大きな反発が起きていました。
しかし、この方針をメルケル首相は福島原発事故後、再び転換させました。 続きを読む