所信表明演説 危機あおるだけで展望示せぬ
3年ぶりに自民党政権を復活させた安倍晋三首相の所信表明演説を聞きました。日本経済も、震災からの復興も、外交・安全保障も、教育も危機だと、もっぱら「危機」をあおる内容です。1期目の所信表明演説で「未来への明るい展望」をうたいあげていたのとは様変わりです。何でもかんでも悪いことは民主党の責任に押し付けて、自らの政権復帰を正当化しようとしてもそれは通用しません。肝心の危機の原因についての分析も、処方箋もありません。「強い日本」をめざすというのも掛け声だけです。これでは国民に展望を示すことはまったくできません。
自らの責任自覚がない
だいたい安倍首相は経済や外交の危機をいいたてますが、自らに責任はないとでも思っているのか。経済では莫大(ばくだい)な国民の所得と産業の競争力が失われ、「どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない」と告発してみせますが、20年近くにわたって経済が停滞しているほとんどの期間、政権を担当していたのは自民党です。 続きを読む