教育勅語美化発言
「まっとう」という見識を疑う
安倍晋三政権の閣僚や首相側近らによる侵略戦争の責任を否定するなどの問題発言が相次いでいますが、下村博文文部科学相が、戦前の軍国主義教育を推進する主柱だった教育勅語について「中身はまっとうなことが書かれている」と発言したのも見過ごせません。安倍政権の「教育再生」を担当する下村氏の発言は、教育の面から「戦争する国」づくりを推進する危険を示しています。
侵略戦争に駆り立て
教育勅語は戦前の教育の基本原理を示すものとして1890年に明治天皇の言葉として出されました。その結論は「一旦緩急(かんきゅう)あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮(てんじょうむきゅう)の皇運を扶翼(ふよく)すべし」、つまり「重大事態があれば天皇のために命を投げ出せ」と子どもたちに徹底して教え込むものでした。親孝行や兄弟仲よくするなど、自然に見えることも徳目として並べていますが、それらをすべて天皇への命がけの忠義に結び付けたのが特徴です。 続きを読む