「離島奪還」訓練
日米一体の危険な戦争準備だ
「離島奪還」は武力行使を伴う本格的な軍事作戦です。訓練とはいえ、武力で事を構えるのは地域の緊張を激化させます。しかも訓練が想定するように、自衛隊が米軍とともにたたかうような事態になれば、文字通り憲法に違反することになります。たとえ訓練でも憲法を踏みにじるようなものは許されず、中止や延期ではなくきっぱり断念すべきです。
アメリカの戦争支援
「離島奪還」訓練は奪われた島を奪い返すことを名目に、日本の陸自と米海兵隊が共同して上陸したたかうというのが想定です。9月にアメリカ領のグアムやテニアンなどでおこなった上陸訓練に続くもので、実施されれば国内での初めての訓練になります。
訓練が計画されたのは、那覇市の西北約60キロの渡名喜(となき)村に隣接する無人の入砂島(いりすなじま)です。出砂島(いですなじま)射爆撃場として米軍に提供されています。陸自の西部方面普通科連隊(長崎県佐世保市・相浦駐屯地)と沖縄の第31海兵遠征部隊が参加する予定でした。
離島への上陸訓練や「離島奪還」訓練はもともと、アメリカの軍事戦略にそって計画されたものです。アメリカはグアムなどの米軍基地を本格的に強化し、オーストラリアやフィリピンなどにも部隊を派遣して軍事関係を強めています。アジア太平洋地域での影響力を維持・強化するために同盟国をまきこんで軍事態勢を強化・確立するのが狙いです。上陸訓練や「離島奪還」訓練はそうした戦略に役立てるためのものです。 続きを読む